[A4] 抗菌薬の基本
「感染症」
【細菌】
・ GNR: グラム陰性桿菌
院外→ 大腸菌 クレブシエラ
院内→ SPACE
(セラチア・緑膿菌・アシネトバクター・シトロバクター・エンテロバクター)
・ GPC: グラム陽性球菌
Chain: 肺炎球菌 レンサ球菌 腸球菌(E. faecium, E.faecalis)
Cluster: ブドウ球菌
・ 嫌気性菌
クロストリジウム バクテロイデス
・ その他の細菌
マイコプラズマ 梅毒 クラミジア レジオネラ 結核
【感染症】
・ 肺炎
[起因菌] 肺炎球菌, インフルエンザ桿菌, マイコプラズマ,
クラミジア, レジオネラ
[入院基準] A-DROP > 3points
[抗菌薬] 基本:サワシリン(AMPC)
非定型肺炎:クラビット(LVFX)
入院:ロセフィン(CTRX)
誤嚥性肺炎疑い:ユナシン(ABPC/SBT)
緑膿菌カバー:ゾシン(PIPC/TAZ)
MRSAカバー:+バンコマイシン(VCM)
[経過] 抗菌薬投与後2−3日間血液検査フォロー(改善は通常2−3日後)
全身状態、自覚症状、胸部症状、血液検査所見で経過観察
・ 尿路感染症
[起因菌] 大腸菌, クレブシエラ, 腸球菌, 院内ならSPACE
[入院基準] 全身状態不良
[抗菌薬] 基本:ロセフィン(CTRX)
緑膿菌カバー:モダシン (CAZ)
Uro-sepsis/UTIか疑わしい: ゾシン(PIPC/TAZ), メロペン(MEPM)
STD疑い:ロセフィン(CTRX)+ ジスロマック (AZM)
[経過] 抗菌薬投与後2−3日間血液検査フォロー(改善は通常2−3日後)
全身状態、自覚症状、血液検査/尿所見で経過観察
・ 腸炎
[起因菌] クロストリジウムデフィシル 大腸菌
CD toxin check
[ST合剤] バクタ:GPC, GNR, 真菌,原虫全てに有効
→HIVに伴う日和見感染症に
[ニューキノロン]
第一世代:シプロキサン(シプロ)→ GNR, GPC
第二世代:レボフロキサシン(クラビット)→ GPC, GNR, その他
第三世代:モキシフロキサシン(アベロックス)→ GPC, GNR, 嫌気、その他
[マクロライド]
クラリスロマイシン(クラリス):ピロリ除菌・非定型肺炎
アジスロマイシン(ジスロマック):モラキセラ・非定型肺炎
クリンダマイシン(ダラシン):マクロライドとは少し違う(りんこマイシン)
GPC, 嫌気性カバー。GNR無効。イーグル効果。
* 劇症型A群溶連菌感染症ではPCGに加えてCLDMの併用が推奨
[テトラサイクリン]
ほぼすべての細菌をカバー
副作用多い
[抗MRSA薬]
バンコマイシン(VCM):抗MRSA薬の中でエビデンス No.1
[アミノグリコシド系]
ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン
→IEに対してβラクタム系と併用
[メトロニダゾール]
嫌気性菌、C,difficileに対して
【抗菌薬略語一覧】
抗菌薬が効きにくいのはGNR SPACE
耐性多いのがGPC cluster (ブドウ球菌)
(1)ペニシリン系
基本のサワシリンはchainと大腸菌に
βラクタマーゼ阻害薬との合剤によりユナシンで嫌気性菌とブドウ球菌カバー
最強のゾシンは全てカバーだけど、ESBL産生菌にはダメ
オーグメンチンは基本的にユナシンの内服
(2)セフェム系
基本のセファメジンはMSSAの薬→皮膚軟部組織感染症
第二世代は2種類覚える
GPC+GNRカバーするパンスポリン→市中肺炎、UTI
嫌気性菌に使うセフメタゾール→腹腔内手術とか
第三世代も2種類覚える
緑膿菌に使うモダシン
1日1回でGNR+GPCカバーのロセフィン→外来UTI,肺炎フォロー
あと、ロセフィンは髄液移行性が良く、細菌性髄膜炎に使われる。
第四世代のマキシピームは嫌気性菌以外の全てに有効
(3)カルバペネム系
メロペンとフィニバックスを覚えておく
ESBL産生菌にも効くけどMRSAには効かないので注意。
あと、意外と腸球菌の一部にも効かない。
フィニバックスの方が耐性付きにくい。
ブロードだけど抗菌効果としては決して強くないので注意
(4)キノロン
とりあえずクラビットを覚える。基本的に何にでも効く。