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5月, 2020の投稿を表示しています

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A8

血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)

血栓性血小板減少性紫斑病( thrombotic thrombocytopenic purpura : TTP ) ADAMTS13 活性の低下による血小板凝集から全身血栓症を来す。 フォンウィルブランド因子( von Willebrand factor : VWF ) ↓ ADAMTS13 による切断・小分子化 止血 ADAMTS13 活性が低下すると VWF 多量体が蓄積して血栓を生じる。 [ 疫学 ] TTP の罹患年令は新生児から老人までと幅広く、日本国内では 30 ~ 50 歳と 60 歳前後に発症ピークが認められる。罹患率は女性にやや多いが、 30 ~ 50 歳では女性が明らかに多く、高齢になれば男性の比率が高まる。 [ 症状 ] 体のだるさ、吐き気、筋肉痛などが先行し、発熱、貧血、出血(手足に紫斑)、精神神経症状、腎障害が起こる。発熱は 38℃ 前後で、ときに 40℃ を超えることもあり、中等度ないし高度の貧血を認め、軽度の黄疸(皮膚等が黄色くなる。)を伴うこともある。精神神経症状として、頭痛、意識障害、錯乱、麻痺、失語、知覚障害、視力障害、痙攣などが認められる。血尿、蛋白尿を認め、まれに腎不全になる場合もある。 [ 診断 ] ADAMTS13 活性の著減( 10 %未満) 疑うべき検査所見として 貧血、血小板減少、腎機能障害、破砕赤血球 [ 治療 ] FFP のみの投与では不十分で、治療は血漿交換( PE )療法が第一選択となる。この際、ステロイド又はステロイドパルス療法の併用が一般的である。 TTP の血小板減少に対して、血小板輸血を積極的に行うことは「火に油をそそぐ( fuel on the fire )」に例えられ、基本的には予防的血小板輸血は禁忌となる。また、難治・反復例に対してはビンクリスチン、エンドキサンなどの免疫抑制剤の使用や脾摘なども考慮される。最近では、抗 CD20 キメラ抗体であるリツキサンが PE に治療抵抗性を示し、かつ高力価 ADAMTS13 インヒビターを認める症例に極めて有用との報告が数多くなされている。 Q, 1 ヶ月前に TIA でチエノピリジン系抗血小板薬を投与された。発熱があり、ボーっとするなどのため受診

[神経内科専門医試験対策] Autoimmune autonomic ganglionopathy(AAG)

Autoimmune autonomic ganglionopathy ( AAG ) 自己免疫性自律神経節障害 gAChR ( ganglionic ニコチン性アセチルコリン受容体)に対する自己抗体を認める自律神経ニューロパチー 従来 GBS の亜型と考えられていた病態 経過は急性〜慢性と多様 症状は自律神経障害(便秘、起立性低血圧、尿閉、発刊障害)などに加えて感覚障害や精神症状を伴う場合もある。 治療は急性期のステロイドパルス、 IVIg, 血漿交換後に経口ステロイドを漸減していく方法が一般的。 Q, Autoimmune autonomic ganglionopathy ( AAG )で認められる自己抗体は何に対する抗体か? 1電位依存性ナトリウムチャネル 2電位依存性カリウムチャネル 3電位依存性クロールチャネル 4 NMDA 受容体 5 ganglionic ニコチン性アセチルコリン受容体 ( 2010  神経内科専門医試験) 正解は5です。 神経内科専門医試験対策Topに戻る ホームに戻る

[神経内科専門医試験対策講義] Brodmannの脳地図

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Brodmann の脳地図 Brodmann の脳地図の番号と機能です。 Brodmann の領域は 1-52 まであります。 覚えるべきところのみを pick up します。 1-4 は一次運動野および一次感覚野です。 それ以降は中心溝を挟んで前後に感覚・運動を補足する領域が当てられます。 その後、 8,9,10 と腹側に向かって行き、 10 で前頭極に至ります。 そのほか 17-19 が視覚野 22 が Wernicke 言語野、 44 が Brocca 言語野( wernicke の2倍です) 39,40 はそれぞれ縁上回、角回で下頭頂小葉を形成します 1,2,3      一次感覚野 4            一次運動野 5            体性感覚連合野 6            捕捉運動野 7            体性感覚連合野 8           前頭眼野 9            前頭前野 10          前頭極 17          一次視覚野 18         二次視覚野 19          視覚連合野 22          Wernicke 言語野 39          角回 40         縁上回 44,45     Brocca 言語野 Q, Brodmann の領域と部位の関係で誤っているものを選べ 1 Brocca              44,45 2 一次視覚野         17 3 角回                   39 4 補足運動野         6 5 縁上回                8 縁上回は 39 なので正解は 5 です 神経内科専門医試験対策Topに戻る ホームに戻る

研修医が絶対に読むべき教科書 [各論/各科]

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・循環器     研修医における循環器内科研修の目標は、心電図・血圧管理・不整脈治療・心不全の管理だと思います。冠動脈疾患はカテとかで専門性が高いので循環器内科にコンサルトする傾向にあると思いますが、血圧・不整脈・心不全くらいは一般内科医でも見れなくてはなりません。あと、やっぱり心電図は重要です! 3秒で心電図を読む本 という山下先生の本があります。この人の本はとっても読みやすいのですが、ある程度知識をつけた上で、危ないものか危なくないものかを瞬時に判断する方法の解説ですので初めの1冊には全くオススメできません。 ・呼吸器内科    呼吸器内科での目標は、胸部の画像が読めるようになること、呼吸器設定ができるようになること、肺炎の治療ができるようになること、くらいですかね。肺がんは気管支鏡とか専門性が…(以下略)。 ・消化器内科 大学病院の消化器内科は、ご存知の方も多いかとは思いますが、腫瘍とカメラばっかりです。ぶっちゃけ他科の医者に必要な消化器の知識ってあんまりありません。とりあえず、基本的な薬の使い方を覚えましょう。 ・腎臓内科    腎臓内科では透析・電解質に関して勉強しましょう。どの科に進んでも必要な知識です。 マニュアル本はどちらか一冊でok ・糖尿病 代謝内分泌 代謝・内分泌ではやはり糖尿病のコントロールが第一です。 ・神経内科     神経内科は特別な手技や機器がなくても成り立つ科ですので、勉強しておいて損はないと思います。どれも名著なのでオススメです。 ・膠原病  膠原病ではこちらがおすすめです。 ・血液内科 研修医にとって血液内科はレジデントマニュアル1冊持っておけば大丈夫でしょう。ですが、研修医の間に勉強しておいて損がないのは悪性リンパ腫です。血液内科以外で白血病などをみることは少ないですが、悪性リンパ腫はどの科でも鑑別に挙がってきます。余裕があれば勉強しましょう。 ・麻酔科 麻酔科といえばこれです。これ1冊で間違いなしです。2018年に第6版 が出版されました。 ・外科 とりあえず外科はこれで乗り切りました。内科と外科では基本的に内科の方が研修医ができる部分が多いように感じます。よっぽど志望科で勉強しない限り研修医が手術で重要な部分を担うことはありません。むしろ外科系研

ベッドサイドプレゼンテーション

ベッドサイドプレゼンテーションのコツを説明していきます。 ポイント 1 なるべく短く、但し必要な情報は漏らさず伝える 2 自信を持ってプレゼンする 3 原稿は読まずにプレゼンする 4 最初に年齢・性別・何で入院しているかを言う 5 メインの疾患の過去→現在→未来の流れを意識してプレゼンする 6 具体的なスコアや値を出してプレゼンする 7 本筋と関係ないことは言わない それぞれ説明していきましょう。 1 なるべく短く、但し必要な情報は漏らさず伝える これはどこでも言われていることですね。 1分以内を目標にしましょう。 2 自信を持ってプレゼンする 3 原稿は読まずにプレゼンする この2つは聞き手に与える印象として大切です。 自信がなさそうにプレゼンすると正しいことを言っていても突っ込まれますし、自信満々にプレゼンすると多少間違っていてもスルーされることが多いです(間違っていてはいけないのですが)。また、必ず原稿は作っても見ながら喋らないようにしましょう。読む時も丸暗記した文章をただ読む、と言うのではなくポイントとなることだけを覚えてプレゼンするようにしましょう。 4 最初に年齢・性別・何で入院しているかを言う 5 メインの疾患に関する過去→現在→未来の流れを意識してプレゼンする 6 具体的なスコアや値を出してプレゼンする 7 本筋と関係ないことは言わない 客観的な指標の無いプレゼンは聞いていて全く理解できません。ただ単に「良くなった」 「悪くなった」と言うのではなく、元々どれぐらいだったのがどれくらいになった、と言うようにしましょう。また。研修医のプレゼンテーションを聞いていて思うのが、大切なことは言わないのに、本筋と関係ないことは言う方が多い印象です。上級医が行った本筋の治療よりも自分で考えて行ったこと(例えば便秘があったから下剤を出した、とかですね)の方が印象に残るのはとってもわかるのですが、全てのことを話してしまうと冗長になってしまいます。メインの疾患の過去→現在→未来の流れを意識してプレゼンするようにしましょう。 下に一例を載せました。 よかったら参考にしてください。 Ex)  脳梗塞 ver 〇〇さん ◯歳 男性 今回脳梗塞で入院になりました。 〇月〇日発症の脳梗塞で、入院時の症状

カルテの記載方法

神経内科のカルテを例にカルテの記載方法をお示しします。 #→現在のプロブレム *    脳梗塞ならいつ発症か、 PD なら Yahr いくつか記載するようにしてください。 *    発熱など新規プロブレムが出現したら適宜変更してください。 S →主訴。患者さんの訴えを書いてください。 O → vital signs ( 落ち着いていれば stable でも構いません。 ) 現在の食事内容・食事摂取量・ in/out( 点滴や尿量 ) ・便がでているか・血糖値(測定していれば) 一般身体所見:眼・首・胸部聴診・腹部所見・四肢浮腫や皮疹は毎日見るようにしてください。 神経学的所見:意識・その他疾患に合わせて記載してください。 (脳梗塞なら麻痺の程度、パーキンソン病なら UPDRS 、認知症なら MMSE, HDS-R ) なるべく客観的な指標を用いるようにしてください。 A →プロブレムごとにアセスメント・プランをかくようにしてください。 P →次回検査日や結果待ちの検査など書くようにしてください。 記載例) あくまでも一例です。実際の患者さんのデータではありません。 #1 脳梗塞( 4/1   RtMCA Lt 麻痺)  #2 発熱( 4/7- ) #3 2型糖尿病 S :   だるいです O: vital sigs BT 38.6, HR 102, BP 130/70, SpO2 99(RA) 常食 1800kcal  塩分 6g   appetite   10/10-10/10-10/10 in  ラジカット  30mg + PSS 100ml x2 回  out Hr 1500ml/day stool 4/7 ( 毎日 ) medication:  アスピリン  200mg/day,  ジャヌビア  50mg 1T1x BS           4/5 110-129-151-111 4/6 109-121-187-126 4/7 98-127 ・身体所見 眼瞼結膜貧血なし、頸部リンパ節主張なし、頸動脈血管雑音なし 胸部聴診上呼吸音右下肺野で course crackles 聴取・心音整 腹部平坦・軟・腸蠕

12 神経・運動器疾患

1 神経とは 2 脳神経 3 神経の解剖と画像診断ー1 3 神経の解剖と画像診断ー2 3 神経の解剖と画像診断ー3 3 神経の解剖と画像診断ー4 CBT対策講義一覧に戻る ホームに戻る

研修医必須項目

1-2不眠 1-5浮腫 1-6リンパ節腫脹 1-7発疹 1-9発熱 1-10頭痛 1-11めまい 1-14視力障害,視野狭窄 1-15結膜の充血 1-19胸痛 1-20動悸 1-21呼吸困難 1-22咳・痰 1-23嘔気・嘔吐 1-26腹痛 1-27便通異常(下痢,便秘) 1-28腰痛 1-31四肢のしびれ 1-32血尿 1-33排尿障害(尿失禁・排尿困難) 2-1脳血管障害 5-2心不全 5-3高血圧 6-4呼吸器感染症 7-1消化器疾患 8-1腎不全 10-4糖代謝異常 13-2痴呆 13-4気分障害 13-5統合失調症 外科 研修医・若手医師対象topへ戻る ホームへ戻る

その他/医師生活の向上

1  パソコンの選び方[医師にMacを勧める5つの理由] 2  2020年度 医師が買うべきパソコン 3  iPadの選び方、比較   4  パソコンと一緒に買うべきアクセサリー、周辺機器 5  iPad,MacBookと絶対一緒に買うべき10個の周辺機器 6  医師のパソコンに絶対入れておきたい3つのソフト 7  医師がiPhone/iPadに入れておきたいアプリ10選 ホームに戻る

神経内科専門医試験対策

1  神経内科専門医試験に合格するために揃えるべき教科書 2  神経内科医が揃えておくべき教科書 3 神経内科専門医試験 対策講義   Brodmannの領野   AAG   血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP) ホームに戻る

研修医・若手医師対象

1 研修医になったら 2  研修医が絶対に買うべき教科書 3  研修医になったら揃ておくべきもの、あると便利なもの 4  英語学習の勧め [研修医が英語を勉強するべき3つの理由] 5  オススメのケーシー 6  研修医必須項目 7  カルテの記載方法 8  ベッドサイドプレゼンテーション 9  研修医になったら買うべきもの[パソコンの選び方] 10 研修医になる前に揃えておきたい教科書 ベスト5 11 読み終わった教科書の取り扱い 12 研修医が絶対に買うべき教科書[各科/各論] ホームへ戻る

医師国家試験対策

1 医師として求められる基本的な資質・能力 2 社会と医学・医療 3 医学一般 4 先天異常、周産期の異常、成長・発達の異常  5 精神・心身医学的疾患  6 皮膚・頭頸部疾患 7 呼吸器・胸壁・縦隔疾患  8 心臓・脈管疾患 9 消化器・腹壁・腹膜疾患  10 血液・造血器疾患  11 腎・泌尿器・生殖器疾患  12 神経・運動器疾患  13 内分泌・代謝・栄養・乳腺疾患  14 アレルギー性疾患、膠原病、免疫病  15 感染性疾患  16 生活環境因子・職業性因子による疾患 17 診療の基本 ホームへ戻る

CBT対策講義一覧

1 医師として求められる基本的な資質・能力 2 社会と医学・医療 3 医学一般 4 先天異常、周産期の異常、成長・発達の異常  5 精神・心身医学的疾患  6 皮膚・頭頸部疾患 7 呼吸器・胸壁・縦隔疾患  8 心臓・脈管疾患 9 消化器・腹壁・腹膜疾患  10 血液・造血器疾患  11 腎・泌尿器・生殖器疾患  12  神経・運動器疾患  13 内分泌・代謝・栄養・乳腺疾患  14 アレルギー性疾患、膠原病、免疫病  15 感染性疾患  16 生活環境因子・職業性因子による疾患 17 診療の基本 ホームへ戻る