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【抗SRP抗体】 SRPは7SL-RNAと6 種類の蛋白から構成される細胞質 RNA 結合蛋白

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【抗 SRP 抗体】 SRP は 7SL-RNA と 6 種類の蛋白から構成される細胞質 RNA 結合蛋白 抗 SRP 抗体は 54kD 蛋白を抑制する 54kD 蛋白はリボソームとの結合で膜蛋白や分泌蛋白の N 末シグナル配列を認識し、蛋白の小胞体での移動を調節する (Reeves WH. Proc Natl Acad Sci USA 1986;83:9507-9511.) SRP は 6 種類のタンパク質 ( 分子量は 9K,14K,19K, 54K,68K,72K) と 300 基の RNA から成る。 (V. Siegel and P. Walter: Nature, 320, 81-84 (1986).) (D. Y. Chang, J. A. Newitt, K. Hsu, H. D. Berstein, and R. J. Maraia: Nucl. Acids Res., 25, 1117-1122 (1997).) (N. Bui and K. Strub: Biol. Chem., 380, 135-145 (1999).) リボソームはタンパク質合成の場であり、小胞体と結合することで、粗面小胞体となる。粗面小胞体では膜結合型・分泌型蛋白を合成し、消化腺や内分泌腺など分泌能を有する組織で発達する。 SRP はリボソームのシグナル配列を認識してリボソームと結合する。 SRP が結合するとリボソームで生成された蛋白質は膜透過が可能な状態で保持され、新生蛋白質 - リボソーム -SRP 複合体は小胞体表面に存在する SRP 受容体を介して小胞体と結合する。 (G. Blobel and B. Dobberstein: J. Cell Biol., 67, 835-851(1975).) (P. Walter and G. Blobel: Nature, 299, 691-698 (1994).) (P. Walter and A. E. Johnson: Annu. Rev. Cell Biol., 10, 87-119 (1994).) Sec61p や TRAM などから構成される膜透過装置を介して新生蛋白質が小胞体腔へと分泌される。 SRP 自身は GTP の加水分解を伴っ

【GBS disability scale】 GBS(ギランバレー症候群)の症状評価スケール

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【 GBS disability scale 】 GBS (ギランバレー症候群)の症状評価スケール 0: 症状なし 1: 軽微な症状。走ったり、歩いたりは可能 2: 杖なしで 5m 歩くことができる 3: 杖を使えば 5m 歩くことができる 4: 介助下でも歩くことができない 5: 人工呼吸器が必要 6: 死亡 3以上で IvIg の適応となる。 神経内科の勉強方 おすすめの教科書はこちら 研修医/内科医が読むべき本はこちら 医師の勉強の仕方 持っておくべきもの 便利なもの

壊死性ミオパチー SRP, HMGCR, ARS

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【壊死性ミオパチー】 壊死性ミオパチー necrotizing myopathy →筋の大小不同など筋原生変化に加えて、筋繊維の壊死・再生が顕著で炎症細胞浸潤をほとんど認めない筋病理所見に基づく疾患概念。 (Liang C. Curr Optin Rheunmatol 2011: 23; 612-619) 2004 年に ENMC の筋病理の診断基準において固有のカテゴリーとして確立された。 (Hoogendijk JE. Neuromuscul disord 2004;14 :337-345) [ 原因 ] 壊死性ミオパチーの病理像をとる疾患は多岐にわたる 液性免疫を介在するものが多くを占める 免疫介在性には自己免疫疾患、悪性腫瘍、ウイルス、薬剤性が関与し、出現する自己抗体は抗 SRP, HMGCR, ARS 抗体が多い。 免疫介在性以外には内分泌異常や筋ジストロフィーが原因となる [ 自己抗体 ] 原因となる自己抗体としては抗 SRP 抗体が最も多い。 ついで、抗 HMGCR 抗体、抗 ARS 抗体、抗 Ku 抗体、抗 U1RNP 抗体である。 Seronegative も一定数存在する。 (Suzuki S. J neuroimmunol 2014; 274: 202-208) ・   抗 SRP 抗体陽性ミオパチー 女性にやや多い 平均発症年齢は 45-55 歳 小児例も報告されている MMT 3/5 以下の重篤な筋力低下を呈する 頸部筋筋力低下や演劇脳障害などを呈する可能性が高い 間質性肺炎や悪性腫瘍などの筋外症状を呈する可能性は低い ほぼ全例で血清 CK は 1000 を超える 臨床経過は3ヶ月以内の亜急性(一相性)型から慢性進行型・再発型まで様々 慢性型は発症年齢が若く、臨床症状はより重篤である 慢性型は四肢と肩甲帯の筋萎縮を認め上腕肩甲型筋ジストロフィーに近似 首下がりの鑑別として挙げる必要がある 治療は経口ステロイドが第一選択である 難治例には IvIg を併用し、多くの場合は必要である ステロイド減量の際にカルシニューリン阻害薬や MTX が併用される リツキシマブの併用が有効であった報告