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4月, 2017の投稿を表示しています

【Levodopa製剤 carbidopaとbenserazideの違い Levodopaと嘔気】

【 Levodopa 製剤  carbidopa と benserazide の違い】 Levodopa が dopamine D2 受容体を刺激することにより Pism を改善する。 ・   Dopamine は BBB を通過しないため投与後末梢で速やかに消費 → Levodopa は BBB を通過することができる: levodopa 製剤の開発 *    Levodopa と BBB levodopa は dopamine よりも分子量が大きい BBB はアミノ酸トランスポーターによって物質輸送を行う Levodopa はアミノ酸に近い構造を持ち BBB で輸送される →そのため、他のアミノ酸とも競合阻害する。 食後内服よりも食前内服の方が効果が強いのはそのため ・   Levodopa → dopamine への変換 Levodopa から dopamine への変換はドパ脱炭酸酵素 (DC) により行われる ドパ脱炭酸酵素 (DC) は中枢及び血管内に存在する Levodopa 内服により血管内 DC が dopamine へ代謝し中枢で作用しない → DC 阻害薬の配合: levodopa/carbidopa, levodopa/benserazide の開発 DCI は BBB を通過しないためより Pism に効果的 *    carbidopa と benserazide 製剤の違い Levodopa/carbidopa は Levodopa 100mg に対し carbidopa 10mg Levodopa/benserazide は Levodopa100mg に対し benserazide 25mg Benserazide 製剤の方が DCI の比率が高くなっている → benserazide 製剤は carbidopa 製剤に比べ内服後の Cmax, AUC が高い ( 加世田 俊 . 臨床薬理 1999; 31(2): 32-328) in vitro では carbidopa の方が水溶性が低い → benserazide の方がより強力だがそのぶん副作用も多い可能性 ・   levodopa 製剤と嘔気 le

【ボトックス:ボツリヌス毒素筋肉内注射療法】

【ボトックス:ボツリヌス毒素筋肉内注射療法】 ボツリヌス A 毒素を用いる。冷所保存。 致死量は数千単位( 1800-3000U/70kgBW ) ・   1回あたりの投与量が多い ・   投与回数が多い ・   投与感覚が短い ・   累積投与量が多い →中和抗体産生のリスクがある MG では禁忌である ボツリヌス毒素には抗毒素がある しかし、ボツリヌス中毒出現時には抗毒素の投与は無効 効果は 1-2 週間で発現し約 2-3 ヶ月程度持続すると言われている 濃度が濃いと狭い範囲に、薄いと広い範囲に効果を認める。 →薄い方が副作用が多い botox で有意に歩行障害が改善しあきらかな有害事象を認めなかった。 (Koman LA. Pediatr Orthhop 2000; 20: 108-115) [ 適応疾患 ] 脳性麻痺 (CP) などに伴う痙縮など、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、ジストニア [ 痙縮: spasticity] DTR 亢進を伴う UMN の障害 Botox 適応:         局所の痙縮で関節可動域がある程度保たれる。                                 ADL 改善が見込まれる。早期開始が目標とされる。 上肢: total 240U まで投与可能 下肢: total 300U まで投与可能 [ 眼瞼痙攣 ] 一次性 二次性: drug induced, CP など 局所性 dystonia と考えられている。 →基底核障害で生じる 40-60 代の女性に多い 眼瞼違和感、不快、羞明などの症状で発症し 両側の随意開眼ができなくなる 1眼あたり6部位に筋注 1.25-2.5U/ 部位で開始し、 total 15-30U 使用する max 45U 使用可能 *   上眼瞼挙筋に注射すると開眼困難となるため避ける [ 片側顔面痙攣 ] 動脈による顔面神経の圧迫が原因とされている 40-60 代女性に好発する CT, MRI で器質的疾患の除外が必要 Ex: C-P angle tumor など 顔の

【神経伝導検査 Tips】

【神経伝導検査 Tips 】 ・軸索障害でも二次的に伝導速度の低下がおこる →太い(速い)繊維の方が脆弱 → axonal neuropathy で太い繊維がやられると全体的に細くなり遅くなる しかし、軸索では 70% 以下にはならない ・筋力は軸索の数と関係している → MCV とは無関係 Conduction block が高度になると脱力を生じる ・   パルス幅 motor 0.5msec まで sensory 0.2msec まで パルス幅を広くすると広いところを刺激できる。 狭くすると特異的な刺激が可能 ・   median は Erb 刺激をしない理由 ulnar は erb 刺激し小指球で記録 小指球は ulnar 単独支配 Erb は median 、 ulnar が非常に近くにある 母子球は median, ulnar の2重支配 →衝突法 (collision 法 ) を用いる ・   DL 延長 手が冷たいことが多い ・   順行法と逆行法 順行法: EKG が混入しないが、波形が小さく加算が大変必要 逆行法:太い神経を刺激するため大きな波形がでる ・   SNAP の phase cancel 脱髄が起きると繊維ごとに伝導速度が微妙に異なるため SNAP が少しずれる →ずれた SNAP の positive wave と negative wave が打ち消し合う →見かけ上 amplitude の低下を生じる ・   Fast pain と slow pain Fast pain: 早くて鋭い痛み Slow pain: 遅くて鈍い痛み(やけどのような痛み) → small fiber neuropathy で生じる SCV は最速繊維を反映するため small fiber neuropathy は検索できない ・   SNAP 低下、 CMAP 保たれる病態 →慢性の axonal neuropathy SNAP は axon の数を反映 CMAP は慢性障害で再支配を生じるためかなりの数の axon が障害されない限り CMAP の低下を生じない。