脳梗塞の分類 TOAST(ATBI, A to A, aortagenic, CE, ESUS, paradoxical, lacunar, BAD)
【脳卒中の分類】
[TOAST分類]
改訂TOAST分類 (SSS-TOAST. 2016)
脳梗塞を
1. large-artery atherosclerosis (アテローム血栓性脳梗塞)
2. cardio-embolism(心原性脳塞栓症)
3. small-vessel occlusion (lacunar: ラクナ梗塞)
4. stroke of other determined etiology (他の原因による脳梗塞)
5. stroke of undetermined etiology (原因不明の脳梗塞=潜因性脳卒中)
の5つに分類する。
[NINDSの分類]
・ 潜在性脳梗塞 cryptogenic stroke
1. ESUS
2014 年に Hart らが embolic stroke of undetermined source (ESUS: 塞栓源不明の脳塞栓症)の診断基準を提唱した。
ESUS は TOAST 分類を基に
・ ラクナ梗塞ではない
・ 虚血病巣を灌流する頭蓋内・外の血管に50%以上の狭窄性病変がない
・ 高リスク塞栓源心疾患がない
・ 脳梗塞を来す他の特異的な疾患(血管炎・動脈解離など)がない
の4 項目全てに該当する 場合に診断される。
検査:心電図(Holter心電図, 埋め込み型心電計)、心エコー検査
→これらの検査で塞栓源を示唆する所見を認めない場合ESUSである。
治療:急性期治療、再発予防ともにEtiology undeterminedに準じる。
ESUSに対する抗凝固療法のstudyが多数行われているが結果は出ていない。
現時点ではaspirinを用いる。
2. A to A embolism
血管原性塞栓症
大血管のアテローム性病変から塞栓子が生じ抹消の血管を閉塞する。TOAST分類ではATBIに分類される。頸動脈エコーや3D-CTA, MRA(BB法)などが有効である。再発予防は抗血小板薬を用いる。
3. Aortagenic embolism
大動脈原生脳塞栓症
大動脈に生じたアテローム性病変から塞栓子が生じ抹消の血管を閉塞する。TOAST分類ではATBIに分類される。CTやTEEで大動脈のプラーク評価を行う。再発予防は抗血小板薬を用いる。
4. paradoxical embolism
奇異性脳塞栓症
静脈系(主に下肢DVT)に生じた血栓が動静脈シャント(主にPFO:卵円孔開存)を通じて動脈塞栓症をきたす。TEEでPFOを認めた場合には下肢echoや造影CTでDVTの検索を行う必要がある。再発予防は抗凝固薬を用いる。
5. BAD
穿通枝の近傍の比較的大径の母動脈がアテローム性病変により閉塞・狭窄をきたすことで穿通枝領域に梗塞をきたす。
病理学的には
ラクナ梗塞:
lipohyalinosis 脂肪を貪食したマクロファージ
mircoatheroma マクロファージを伴うプラーク
BAD:
atheroma plaque
穿通枝領域の梗塞であるがATBIの病態を持つ
しかしATBIは主幹動脈病変(IC,VAの狭窄)が顕著であるのに対して、BADでは主幹動脈病変が顕著ではないという違いがある。
A: lacunar, BAD, ATBIにおけるICA狭窄病変の頻度
また、梗塞巣による推察もある程度可能である。
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