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ホルムズ振戦 Holmes tremor

【 Holmes tremor ホルムズ振戦】 3 Hz 程度の遅い周波数の振幅の安静時・姿勢時に生じる振戦 MDS の診断基準 1. 静止時や企図時に出現する振戦で,多くの症例で姿勢時振戦を伴う。他の振戦と比較して不規則 2. 低頻度で通常は 4.5 Hz 以下の頻度 3. 中枢神経イベント(脳血管障害など)に遅れて出現(通常 1 ヶ月 ~2 年の間に出現) (Deuschil G et. al. Mov Disord. 1998; 13: 2-23 ) Guillain-mollaret 三角の障害で生じる 赤核と同側の下オリーブ核、反対側の小脳を結んだ三角。 歯状核ニューロンの軸索は、上小脳脚を経て中脳下部で交叉した後、対側の赤核上部のニューロンとシナプスを形成する。赤核上部ニューロンの軸索は、中被蓋路を通り、延髄外側にある下オリーブ核のニューロンとシナプスを形成する。下オリーブ核ニューロンの軸索は、登上線維となり、対側の下小脳脚を走行し、小脳皮質に分布するプルキンエ細胞の樹状突起とシナプスを形成する。プルキンエ細胞の軸索は、出発点に相当する歯状核のニューロンとシナプスを形成する。 神経内科の勉強方 おすすめの教科書はこちら 研修医/内科医が読むべき本はこちら 医師の勉強の仕方 持っておくべきもの 便利なもの

高次脳機能障害 失語、失行、失認 その責任病巣

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【高次脳機能障害】 高次脳機能とは… 記憶、注意、遂行機能、社会的行動などの精神機能の総称 左右の大脳皮質に機能的局在を持つ 右利きでは左半球が優位半球となり、以下左半球を優位半球として説明する。 高次脳機能障害 ・   失語 ・   失行 ・   失認 ・   失算 ・   失書 など 1. 失語 運動性失語、感覚性失語、 2. 記銘力障害 近時記憶障害は Papez の回路の障害により生じる Papez の回路:海馬 - 脳弓 - 乳頭体 - 視床前核 - 帯状束 - 海馬 側頭葉内側部に位置する。 脳梗塞や脳炎、前大動脈瘤破裂などが原因となる。 3. 失行と責任病巣 ・   前大脳動脈領域が責任となる高次脳機能障害 ・   中大脳動脈領域が責任となる高次脳機能障害 優位半球 Broca 野:運動性失語 優位半球 Wernicke 野: Wernicke 失語 優位半球頭頂葉:観念運動失行 優位半球角回: Gerstmann 症候群 () 劣位半球頭頂葉( Angular gyrus area ):左半側空間無視、着衣失行 ・   後大脳動脈領域が責任となる高次脳機能障害 視覚性の失認 神経内科の勉強方 おすすめの教科書はこちら 研修医/内科医が読むべき本はこちら 医師の勉強の仕方 持っておくべきもの 便利なもの 、

顔面の不随意運動

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【顔面不随意運動】 1. 片側顔面痙攣 片側の顔面痙攣で下眼瞼から始まり、顔面の下方に移動する。 顔の随意運動やストレス、疲労で増悪する。 初期には耳鳴りを認めることがある。 原因としては脳腫瘍、脳血管障害、動脈瘤、血管奇形など。 → MRI が必要 治療はボツリヌス毒素もしくは微小血管減圧術 クロナゼパムや抗けいれん薬が用いられるが効果には乏しい 2. 眼瞼痙攣 (blepharospasm) 両眼瞼の反復閉塞でジストニアに分類される 頬、口、下顎部にまで及ぶ場合 Meige 症候群と言われる (1) 本態性眼瞼痙攣:原因は不明。 (2)Parkinson 病に伴う parkinsonian blepharospasm (3) 薬剤性:抗精神病薬、睡眠導入薬など。特にエチゾラム(デパス)が多い。 抗精神病薬、抗パーキンソン病薬、ボトックスなどが治療 3. 異常共同運動 Bell 麻痺や外傷後など顔面神経障害の後遺症として認められる 随意運動で誘発されるが、安静では消失する ボツリヌス毒素療法が選択される 4. 心因性 5. 開瞼失行 動眼神経の核上性麻痺 6. 顔面ミオキニア 原因は不明 数週間以内に自然に改善する 7. チック ストレス性 8. ジスキネジア 神経内科の勉強方 おすすめの教科書はこちら 研修医/内科医が読むべき本はこちら 医師の勉強の仕方 持っておくべきもの 便利なもの

パーキンソン症候群と排尿障害

[ パーキンソン病と排尿障害 ] 黒質 - 線条体系のドパミン回路が排尿に関与している可能性 排尿障害を呈する患者の方が、呈さない患者よりも DAT 低下 →線条体ドパミンは排尿反射に対して抑制的 (Sakakibara R. J Neurol Sci l87 : 55-59 2001) D1 受容体の刺激により排尿半反射は抑制 D2 受容体の刺激により排尿反射は促進される → D2 受容体刺激作用の強い levodopa により蓄尿障害は増悪 (Uchiyama T. Mov Disord l8:573-578 , 2003) 逆に MSA では排尿障害を認める。 神経内科の勉強方 おすすめの教科書はこちら 研修医/内科医が読むべき本はこちら 医師の勉強の仕方 持っておくべきもの 便利なもの