[研修医必須項目] 外科

胸腔鏡下右肺部分切除
Ⅰ.臨床経過及び検査所見
【症例】歳 女
【主訴】呼吸困難
【現病歴】
  ●年に両ソケイ部痛を自覚し他院にて精査したところ、後腹膜~骨盤内に多発嚢胞を認め、若年女性であることからもリンパ脈管筋腫症(LAM)が疑われ、当院呼吸器内科を紹介受診となった。臨床症状よりLAMと診断され経過観察としていたが、●年より呼吸困難を認め、翌日夕方より症状が増悪したため救急要請となった。当院到着時、酸素マスク6L/分投与にてSpO2 92%と低酸素血症であり、さらに胸部単純X線にて右肺のⅢ度気胸でありトロッカーを挿入し、呼吸器内科に緊急入院となった。
【既往歴】パニック障害
【家族歴】両親:パニック障害
【嗜好歴】喫煙:なし 飲酒:なし
【アレルギー】特記事項なし
【入院後経過】
 呼吸器内科にて保存的治療を行ったものの経過中に左気胸を認めるようになり、左胸にもドレーンを留置したものの改善しないため呼吸器外科にて手術を行う方針となった。入院後14日目に右ブラに対し胸鏡下右肺部分切除+気ろう閉鎖術を施行した。麻酔導入後、気管挿管前に陽圧換気中の緊張性気胸予防・乳び胸に対するドレナージの目的で、左第2肋間より24Frダブルルーメントロッカーを10cm挿入した。そして術前より挿入されていたドレーンを抜去しカメラで観察したところ、胸内には灰緑色に濁った胸水が貯留し、フィブリンが析出していた。下葉の葉間面縁に2cm大の白色ブラを2個認め、中葉の葉間面縁にも2cm大の白色ブラを認めた。その他、胸膜表面の発赤、無茎性のブラが多発しており、LAMとして矛盾しない所見であった。

内を合計1200mlで洗浄し、リークテストを数回施行したが、明らかなリークポイントは認めず、前述のブラを切除し、胸膜補強を施行した。24Frダブルルーメントロッカーを右肺尖に向けて第6肋間前腋窩線上の孔より留置し手術を終了とした。出血量5ml、手術時間は59分であった。術後経過は良好であり、気胸の拡大は認められず、術後2日目に左ドレーンを抜去、さらに術後4日目に右ドレーンを抜去し、術後13日目に退院となった。

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