可逆性血管収縮症候群[RCVS]
可逆性血管収縮症候群 [RCVS] 20-50 代の女性に好発し、激しい頭痛を呈する脳血管の可逆性攣縮を特徴とする疾患。 いきみを伴う動作や薬剤( SSRI, 交感神経刺激薬)、麻薬、妊娠・出産などが誘因となる。 突然の激しい頭痛で発症する。後頭部や全体の拍動性頭痛が多く、嘔吐や光過敏などを伴うこともある。発作持続時間は一般的に 1-3 時間で平均4回程度繰り返す。 痙攣や局所神経脱落症状を伴うことがあり、この場合には脳梗塞や脳出血の合併を考える。 頭部 MRI では多発性の血管収縮を認める。収縮部位と拡張部位が連続する数珠状所見 (strings of beads) を特徴とする。多くは両側性でびまん性である。これらの所見は可逆性であり、大部分は2ヶ月以内に改善する。 約 30% に脳血管障害を伴う。 6-20% に脳出血を生じる。脳血管障害の合併としては cSAH が一番多い。 60 歳以下の cSAH の原因として RCVS は最も頻度が高い (Kumar S. Neurology 2013; 81: 821-324) 8-38% に PRES を伴う。 (Ducros A. Lancet Neurol 2012; 11: 906-917) 6-38% に脳梗塞を合併する。 cSAH, ICH, PRES は頭痛から1週間以内に生じる。 脳梗塞は発症後約2週間で生じる。 M1, M2 の収縮を認める場合には PRES や脳梗塞の合併を生じやすい。 (Chen SP. Ann Neurol 2010; 67: 648-656) 髄液検査では異常所見を呈さない。 鑑別には脳動脈解離、動脈瘤破裂による SAH 、 PACNS が挙げられる。 RCVS に対する確立された治療は存在しない。 経験的に Ca-b が使用されるがエビデンスには乏しい。 脳梗塞、脳出血を合併する場合にはそちらの治療を優先する。 当サイトで人気の記事まとめ こちらも併せてどうぞ 神経内科医が持っておくべき教科書 2018 研修医になる前に絶対に揃えておくべきもの 研修勉強方法相談! 医師のためのお金の話[医師節約術・簡単副業の勧め...