【Levodopa製剤 carbidopaとbenserazideの違い Levodopaと嘔気】
【Levodopa製剤 carbidopaとbenserazideの違い】
Levodopaがdopamine D2受容体を刺激することによりPismを改善する。
・ DopamineはBBBを通過しないため投与後末梢で速やかに消費
→LevodopaはBBBを通過することができる:levodopa製剤の開発
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LevodopaとBBB
levodopaはdopamineよりも分子量が大きい
BBBはアミノ酸トランスポーターによって物質輸送を行う
Levodopaはアミノ酸に近い構造を持ちBBBで輸送される
→そのため、他のアミノ酸とも競合阻害する。
食後内服よりも食前内服の方が効果が強いのはそのため
・ Levodopa→dopamineへの変換
Levodopaからdopamineへの変換はドパ脱炭酸酵素(DC)により行われる
ドパ脱炭酸酵素(DC)は中枢及び血管内に存在する
Levodopa内服により血管内DCがdopamineへ代謝し中枢で作用しない
→DC阻害薬の配合:levodopa/carbidopa,
levodopa/benserazideの開発
DCIはBBBを通過しないためよりPismに効果的
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carbidopaとbenserazide製剤の違い
Levodopa/carbidopaはLevodopa 100mgに対しcarbidopa 10mg
Levodopa/benserazideはLevodopa100mgに対しbenserazide 25mg
Benserazide製剤の方がDCIの比率が高くなっている
→benserazide製剤はcarbidopa製剤に比べ内服後のCmax, AUCが高い
(加世田 俊. 臨床薬理 1999; 31(2): 32-328)
in vitroではcarbidopaの方が水溶性が低い
→benserazideの方がより強力だがそのぶん副作用も多い可能性
・ levodopa製剤と嘔気
levodopa製剤で嘔気をきたすのは延髄嘔吐中枢にBBBがないことが原因
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その他BBBを欠く部位は松果体、下垂体後葉、視床下部など
嘔吐中枢の化学受容体(CTZ)にあるD2受容体をlevodopaが刺激し嘔気
levodopa/carbidopaよりもlevodopa/benserazideで起こりやすい
→治療にはドンペリドンが用いられる
ドンペリドン(ナウゼリン):D2受容体阻害薬。BBBは超えない
メトクロプラミド(プリンペラン:D2受容体阻害薬。BBBを超える
メトクロプラミドは中枢性・末梢性の嘔気に有効だが錐体外路症状を惹起しやすい
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