【神経伝導検査 Tips】
【神経伝導検査 Tips】
・軸索障害でも二次的に伝導速度の低下がおこる
→太い(速い)繊維の方が脆弱
→axonal neuropathyで太い繊維がやられると全体的に細くなり遅くなる
しかし、軸索では70%以下にはならない
・筋力は軸索の数と関係している
→MCVとは無関係
Conduction blockが高度になると脱力を生じる
・ パルス幅
motor 0.5msecまで
sensory 0.2msecまで
パルス幅を広くすると広いところを刺激できる。
狭くすると特異的な刺激が可能
・ medianはErb刺激をしない理由
ulnarはerb刺激し小指球で記録
小指球はulnar単独支配
Erbはmedian、ulnarが非常に近くにある
母子球はmedian, ulnarの2重支配
→衝突法(collision法)を用いる
・ DL延長
手が冷たいことが多い
・ 順行法と逆行法
順行法:EKGが混入しないが、波形が小さく加算が大変必要
逆行法:太い神経を刺激するため大きな波形がでる
・ SNAPのphase cancel
脱髄が起きると繊維ごとに伝導速度が微妙に異なるためSNAPが少しずれる
→ずれたSNAPのpositive waveとnegative waveが打ち消し合う
→見かけ上amplitudeの低下を生じる
・ Fast painとslow pain
Fast pain: 早くて鋭い痛み
Slow pain: 遅くて鈍い痛み(やけどのような痛み)
→small fiber neuropathyで生じる
SCVは最速繊維を反映するためsmall
fiber neuropathyは検索できない
・ SNAP低下、CMAP保たれる病態
→慢性のaxonal neuropathy
SNAPはaxonの数を反映
CMAPは慢性障害で再支配を生じるためかなりの数のaxonが障害されない限りCMAPの低下を生じない。
・ 温度が低下するとSNAPは
→上昇する。
温度による影響は太い繊維の方が受けやすい。
活動する感覚繊維の太さのばらつきが少なくなり平均として細くなる
結果としてSNAPは上昇する
・ acute denervationは
Fibliration potentialとpositive sharp waveのみ
→fasculationのみではacute denervationと取らない
かつ、1つの筋でacute denervationが2箇所以上出た時に有意所見ととる
fasculationはchronic denervationででる
Awaji基準ではunstable
polyphasic MUPと同時に認めた場合acuteととって良いとされている
・ high amplitude MUP
運動神経の再支配を反映している
→急性期障害ではhigh amplitudeとならない場合もある
・ myotoniaの分類
myogenic myotonia 急降下爆撃音/motor bike sound
漸減・漸増
neurogenic myotonia 突然生じ、突然おわる
・ GBS
AMAN 軸索障害 2週間でpeak 抗ガングリオシド抗体+
AIDP 脱髄 3週間でpeak
・ 免疫性脱髄性ニューロパチーで障害されやすい部位
→近位部と遠位部が均等
神経根部よりproximalはBBBに、distalはBNBにより保護されている。
しかし、神経根部と神経終末ではbarrierがない
→近位・遠位が均等に障害される
・ 自律神経系の中で有髄繊維は?
→副交感神経の節前繊維
従ってGBS(AIDP)では副交感神経の障害が生じ交感神経優位となる
・ 軸索型GBSの機序
免疫複合体が補体活性化を誘導し、軸索が不可逆的に障害される
・ MMNとALSの鑑別
1番のポイントは筋萎縮の有無
ALSでは筋萎縮が必発、MMNでは筋萎縮をきたさない
・ 先天性と後天性脱髄疾患の神経伝導検査の違い
先天性障害では全ての神経が均等に障害されることから波形は正常と同じだが遅くなる
後天性障害では障害される繊維とされない繊維がバラバラで波形が崩れる
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