[B6] 認知症治療ガイドライン 抗認知症薬の簡単な使い分け
【認知症 : dementia 】 [ 分類 ] AD, DLB, 脳血管性認知症 , FTLD [ 検査 ] MMSE: 23pts 以下を認知症の疑い HDS-R: 20pts 以下を認知症の疑い より詳細な評価として ADAS-JCOG がある。 [ 認知症治療薬 ] 1. ChE 阻害薬 (1) donepezil: アリセプト 対象: AD, DLB (MMSE 5-22) 用法: 3 → 5 → 10mg/day と増量。 代謝:肝代謝 副作用:消化器症状・易怒性 / 興奮・心血管症状(不整脈・高血圧) (2) galantamine: レミニール 対象: AD, Vascular dementia(MMSE 10-22) 用法: 4 → 8mg/day と増量。 代謝:肝・腎代謝 副作用:消化器症状・易怒性 / 興奮・心血管症状(不整脈・高血圧) (3) rivastigmine: イクセロンパッチ 対象: AD,PDD(MMSE 10-20) 用法: 4.5mg から開始。 1 月ごとに 4.5mg づつ up 。維持量 18mg/day 。 代謝:肝代謝 副作用:消化器症状・易怒性 / 興奮・心血管症状(不整脈・高血圧) 2. NMDA 受容体拮抗薬 memantine: メマリー 対象: AD(MMSE 5-14) 用法: 5mg/day から開始し、 5mg ずつ up 。最大 20mg/day 。 代謝:腎排泄 副作用:傾眠・めまい * ChE 阻害薬の症状改善は 3 か月をピークとするため、内服開始から 3 か月経過しても症状改善が得られない場合には内服薬の変更を検討する。 * 使い分け ChE 阻害薬は興奮と消化器症状が、メマンチンは眠気の副作用が出やすい。 うつ傾向であれば ChE から、興奮があればメマンチンから開始する。 ChE 阻害薬ではドネペジル > リバスチグミン > ガランタミンの順で興奮強い。 内服コンプライアンスの面では1日1回のドネペジルが優れる。 嚥下機能障害がある場合には貼付剤であるリバスチグミンが良い適応になる。 ...