iNPH 正常圧水頭症 タップテスト判定基準
【iNPH 特発性正常圧水頭症】
特別な原因がなく、高齢者で髄液吸収障害により脳室とくも膜下腔に髄液が貯留することで、歩行障害、認知機能障害、尿失禁をきたす。
正確な病態は不明である。
髄液吸収障害と推察される。髄液はくも膜下腔から吸収されるとされているが、iNPHではむしろ脳底槽やシルビウス裂が開大し、高位円蓋部や大脳縦列のクモ膜下腔は狭小化する(DESH)。これは単純にクモ膜下腔での髄液吸収障害が原因と矛盾する。
3大徴候
(1) 歩行障害:ほぼ必発。Small step
wide based gaitを呈する
(2) 認知機能障害:80%に認める。前頭葉優位で見当識・記銘力は比較的保つ
(3) 排尿障害:約60%に認める。
* AVIM
無症候性DESH
25%が8年以内にiNPHをきたすとされる
診断基準
1. possible
<必須>
・ 60歳以上
・ 歩行障害、認知機能障害、尿失禁のうち1つ以上
・ 脳室拡大(Evans index > 0.3)
・ 他疾患では説明困難
・ 特発性である
<参考>
・ wide based small step gaitで方向転換時に不安定
・ 緩徐進行性 一時停止、急性増悪などある
・ 歩行障害>認知機能障害>尿失禁の順で多い
・ 認知機能障害あり
2. Probable
・ possibleを全て満たす
・ 髄液圧 200mmH2O以下
・ DESH or tap testでの改善
3. Definite
しゃんとopeで改善
[iNPHGS]
[tap test基準]
1. iNPHGSでどれか一つ1点以上の改善
2.Up and goで10%以上の改善
3.MMSEで3点以上の改善
以上いずれか一つでも当てはまれば改善ととる
参考所見
・ WAIS-Ⅲで3点以上
・ FABで2点以上
・ TMT-Aで30%以上
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