familial PD 遺伝性パーキンソン病
【Familial PD】
遺伝形式:AD,AR, XD, XR, ミトコンドリア
AD; SNCA multiplication, LRRK2
AR: parkin, PINK1, ATP13A2, PLA2G6
神奈川:LRRK 2
長野・静岡:SNCA
PARK1
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AD
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α-synuclein
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PARK2
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AR
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parkin
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PARK3
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AD
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PARK4
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AD
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α-synuclein
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PARK5
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AD
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UCH-L1
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PARK6
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AR
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pink1
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PARK7
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AR
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DJ-1
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PARK8
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AD
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LRRK2
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PARK9
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AR
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ATP13A2
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[AD]
・ PARK1
SNCAの点変異またはduplication
SNCA point mutation: 早期発症のPism, 認知症を伴うことが多い
SNCA duplication: 典型的なPism+自律神経障害が多い
30-40代で発症。10年で死亡。Pismは多彩。
Dementia +, lewy body +
・ PARK 4
SNCA triplication: duplicationよりも若年で発症し進行が早く重症
MIBG心筋シンチグラフィで取り込み低下+
・ PARK 8
典型的なPDと鑑別困難でやや若年。
Levodopaへの反応性は保たれる。
嗅覚障害、自律神経症状、dystoniaは稀
MIBG心筋シンチグラフィはLewy bodyの有無を反映し一定しない。
G2019S変異では8割程度にLewy病理→MIBG低下
それ以外では4割程度にLewy病理が認められる
病理はlewy body(pure nigral or 皮質全般)やtauopathy, ユビキチン陽性封入体など多彩。
・ PARK17とPARK18
PARK17:エンドソームとトランスゴルジ網間輸送膜タンパク機能障害
PARK18:翻訳開始因子の昨日以上
高齢発症で緩徐進行のパーキンソニズムを呈し、Levodopaへの反応性は良好
α-シヌクレインの凝集やLewy小体を認める
[AR]
・ PARK 2
Familial PDで最も多い。
40-59代以下の若年発症が多いが7-76歳と多彩
歩行障害で発症することが多い
下肢dystonia, LID,深部腱反射亢進, sleep benefitが多い
dementia, 嗅覚障害, MIBGの低下は稀
少量のdopaで著効し、末期までdopa反応性は保たれる
病理ではlewy bodyも稀
parkin遺伝子によって作られるparkinタンパクはゴルジ体やシナプス小胞に存在し、ユビキチンリガーゼの働きをする。欠失や重複、ミスセンスなど様々な変異が報告されているが、genotypeとphenotypeに関連はないとされる。
ARなので基本的にはhomozygoteで発症するが、ヘテロ接合子の片側アレルにのみ変異を有する(single heterozygote state)でも発症することがある。その場合には高齢発症の左右左のあるパーキンソニズムで孤発性PDと鑑別が困難。
・ PARK6
原因遺伝子としてPINK1が同定されている。
アジアに多い
PARK2と臨床症状が似ており鑑別は困難
下肢ジストニアやsleep benefit, DTR亢進の頻度は低いとされる
・ PARK7
原因遺伝子としてDJ-1が同定されている
日本での報告はない
・ PARK9
原因遺伝子としてATP13A2が報告されている。
日本では1例報告がある。
発症は10代前半で緩徐進行性の経過を示す
Pismに加えて錐体路徴候、垂直方向性眼球運動制限、slow saccade、mini-myoclonus, 認知機能障害などを特徴とする
Levodopaへの反応性は良好だが、早期から運動合併症を呈する
大脳、小脳にびまん性の萎縮が見られ、基底核には鉄が沈着する
・ PARK14
原因遺伝子としてPLA2G6とPANK2が同定されている。
大脳基底核への鉄沈着を特徴とする
PLA2G6変異:NBIAtype1(PKAN)
PANK2変異:NBIAtype2(INAD)
臨床症状は幼少期発症のdystonia, 痙性, 精神機能障害
type1がより重症であり、10歳前後で死亡する
成人発症の非典型例も存在する
[その他の遺伝性パーキンソニズム]
・ FXTAS
AD FMRI lewy body –
・ SCA2
AD ATXN2 lewy body +
・ GBA mutation
GBA1遺伝子をホモ接合体変異で持つとゴーシェ病、ヘテロ接合体で持つとfamilial PDとなる。GBAはグルコセレブロシダーゼをコードしている。グルコセレブロシダーゼはグルコセレブロシドをグルコースとセラミドに分解する。GBA変異によるグルコセレブロシダーゼ活性低下によりグルコセレブロシドが蓄積することでPDをきたす。現在グルコセレブロシド合成酵素の阻害薬が治験されている。
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