Trousseau症候群 トルソー症候群

Trousseau症候群】
トルーソー(Trousseau)症候群は悪性腫瘍に伴う血液凝固亢進により脳卒中を生じる病態である。脳梗塞の成因の多くはDICに併発した非細菌性血栓性心内膜炎による心原性脳塞栓症と考えられ、原因となる悪性腫瘍は固形癌が多く、その中では婦人科的腫瘍が最も多い。皮質に多発する梗塞が多く、血液凝固マーカーの上昇を認め,原疾患の治療と抗凝固療法が必要となる。

担がん患者における脳梗塞
1)ATI, CEなどがんとは無関係の脳梗塞
2)がんに伴う脳梗塞
(2)の診断には(1)の除外が必要である。

(2)がんに伴う脳梗塞
癌組織が凝固因子の一つである組織因子(TF)を発現し凝固亢進状態となる
背景にある癌は腺癌、特に婦人科系癌が多い
①凝固亢進状態による全身血栓症としての脳梗塞
②非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)による脳塞栓症
③静脈系血栓による奇異性塞栓症
④悪性腫瘍に伴う血管炎
の病態が考えられる。

[検査]
血液検査:Trousseau症候群ではFDP-Dの上昇を認める

経食道心エコー検査(TEE: PFOの検索、NBTEの検索

[治療]
ヘパリンが第一選択である
長期化する場合には低分子ヘパリンの皮下注射を選択する。

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