DAT-SCAN ダットスキャン

DAT-SPECT
黒質線条体ドパミン神経終末に存在する線条体ドパミン神経系の評価

DAT: dopamine transporter

ドパミンはシナプス前ではシナプス小胞に包まれ、シナプス間隙に放出される。
放出されたドパミンはドパミン受容体に結合し、信号が神経細胞に伝達される。
シナプス間隙のドパミンはDATにより再取り込みされる
ドパミンは再度シナプス小胞に貯蔵される。

DAT-scanDATを反映する検査である

*パーキンソン症状をきたす変性疾患ではDATが低下する
→パーキンソン病(PD), 多系統萎縮症(MSA), 進行性核上性麻痺(PSP),
 大脳皮質基底核変性症(CBD)ではDAT-scanで低下が見られる

*脳血管性パーキンソニズム(VP)、正常圧水頭症(iNPH)

[臨床的応用]
線条体が障害されるPD, MSA, PSP, CBSでは取り込み低下を呈する。
(Oh M. J Nucl Med 2012;53:399-406)

パーキンソン病では運動症状出現の10年前からDATの現象が始まる。
運動症状出現時にはDAT結合能は50%程度まで低下。
(Varrone A. J Nucl Med. 2010;51:1331~1334)

PD H-YⅠの正常側でも取り込み低下を認める。
(Marek K.L. Neurology 1996;46:231-237)

本態性振戦、血管性パーキンソニズム、薬剤性パーキンソニズムでは取り込み低下を呈さない。
(Scherefler C. Mod Disord 2007;22:1229-1238)

・正常例

・集積低下

DAT 低下する疾患
PD:非対称性に被殻後部から集積が低下していく
DLB:両側性に高度な集積低下を示すことが多い。
PSP:対称性、びまん性の集積低下を認めるが一定ではない。
MSA:比較的集積は保たれ、左右差を呈することもある。
HD:集積低下は必ずしも高度でない。
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