【言語表出の障害】 失語 構音障害 発話失行 aphasia, apraxia of speech, aphonia, aphemia, anarthria, dysartheia

【言語表出の障害】
  一次性言語障害
運動性失語:aphasia
発語失行:anarthria

・二次性言語障害
構音障害:dysarthria
失声: aphonia

1. 運動性失語
非流暢性発話、発話量の低下、失構音などを呈する
重度になると発語はほとんど見られなくなる
言語理解は比較的保たれる
書字は読字よりも障害される

Brocca野の障害による

2. 発語失行: apraxia of speech or anarthria / aphemie
apraxia of speech (Darley. 1975)
anarthria (Marie. 1907)
aphemie (Broca. 1861)
日本語ではいずれも発語失行であるがその定義は異なる。
Apraxia of speech
→話そうとする本来の音と異なる音を表出し、その誤りに一貫性がない
関連性のない音を表出し、誤りを正そうと繰り返し努力を行う
話が途中で止まったり、速度が遅くなったりする
保続を伴う

責任病巣は左島皮質とされる

anarthriaaphemie
同義として扱われる。
音声を発することはできるが、極めて僅かな音声のみである
話し言葉も書かれた言葉も完全に理解する
手が使える場合には考えをはっきりと書くことができる

責任病巣は左中心前回下半分とされる。

3. 失声:aphonia
両側声帯麻痺による発語障害
擬核からの両側迷走神経の障害により両側声帯麻痺を生じる
多くは脳幹障害で生じる
supplementary motor cortexから生じるneuronが基底核、視床をへてmotor / premotor cortexへ注ぎ、motor / premotor cortexからnucleus ambiguusを経由してvagus nervelarynxを支配する。
すなわち、両側皮質や基底核、nucleus ambiguusの障害によりaphoniaを生じうる。

4. 構音障害: dysarthria
発声に関わる運動器及び神経の障害により生じる。
口や筋の障害による器質性構音障害と錐体路、錐体外路、小脳路の障害による機能性構音障害に分けられる。




神経内科の勉強方 おすすめの教科書はこちら
研修医/内科医が読むべき本はこちら
医師の勉強法/持っておくべきものはこちら

このブログの人気の投稿

脳梗塞の分類 TOAST(ATBI, A to A, aortagenic, CE, ESUS, paradoxical, lacunar, BAD)

筋電図の読み方 改定2017

除皮質硬直と除脳硬直