脳波
【脳波】
周波数(frequency)
→ひとつの波が1秒間に何回あるか
複合波ではspike and slow waveをひとつの波ととる
振幅(amplitude)
→基線からの振幅。単位はμV。
[局在]
電極は概ね
F: Frontal 前頭
P: Parietal 頭頂
T: Temporal 側頭
O: Occipital 後頭
C: Central 中心
に置かれる。
奇数が左、偶数は右
[周波数による分類]
δ(デルタ)波:3Hz以下
θ(シータ)波:4-7Hz
α(アルファ)波:8-13Hz
β(ベータ)波:14-40Hz
γ(ガンマ)波:40Hz以上
δ・θをslow wave
β・γをfast waveという
正弦波とは程遠い尖鋭な波形にspike(棘波), sharp wave(鋭波)がある。
Spike: 20-70msecの周囲の脳波からははっきり区別される波形
Sharp wave: 70-200msecの振幅が大きく尖鋭な波形
[基礎波(背景脳波):background activity]
安静覚醒閉眼時は後頭葉(O)優位に8-13Hz、50-100μV程度のα波を認める。
[突発波:paroxysmal
activity]
background activity とは異なり突然始まり突然終わる波。
・異常所見
1. 多棘複合(multiple spike
complex)
棘波の群発
2. 14 and 6Hz positive burst
3. 棘徐波複合 spike and slow
wave complex
4. 鋭波徐波複合 sharp wave and
slow wave complex
[開閉眼賦活法]
通常開眼によりα波が減衰する(α-blocking)
α波の減衰が不十分な場合には異常が予想される
開閉眼でてんかん性の突発異常波が誘発される
ナルコレプシーでは開眼によりα波が増強する(逆説的α-blocking)
[過呼吸賦活法]
過呼吸によって
・ 突発性異常波の出現
・ build upの有無
を確認する
1. 突発異常波
過呼吸により誘発されやすいてんかんは欠伸発作
3Hz spike and slow waveをきたす
2. build up
過呼吸によりfront parietal優位にamplitudeの増大、徐波化をきたす。
過呼吸開始3分以内に出現し、30秒以上持続する場合には異常所見ととる
小児では正常でもbuild upを伴う。
20代以降では正常では10%以下、てんかん患者では40%以上に認める。
* re-build up
モヤモヤ病では過呼吸後にbuild upが消失した後に再度build upが出現する。
[光賦活法]
光刺激により
・ てんかん誘発の有無
・ 光駆動(photic driving response)の有無を確認する
1. 光刺激により誘発されるてんかん
多くは欠伸発作かミオクロニー発作
後頭部に局在性棘波や高振幅突発波が誘発されることが多い
光刺激により誘発されるのはてんかんの中でも約4%
2. 光駆動(photic driving
response)
反復光刺激により頭頂・後頭部に刺激と同じ周波数または調和関係の波
[睡眠賦活]
睡眠時には特に複雑部分発作が誘発される
異常波出現率は覚醒時に36%, 睡眠時には82%
異常波は睡眠初期に見られやすい
正常睡眠脳波とlazy activityを確認する
[正常睡眠脳波]
・ stage 1
α波の消失
→2-7Hzの徐波が優位になる
α波が50%以下に達したときにstage 1と判断する。
* Hump(頭蓋頂鋭波:vertex sharp wave)
頭蓋頂部に両側性に出現する高振幅三相波
・ stage 2
sleep spindleやK-complexが出現、stage3,4に特徴的な高振幅徐波を認めない。
* K-complex
先行するhumpに似た徐波とこれに続く14Hz前後の速波で構成される複合波
* spindle
K-complexからさらに睡眠が進み、hump様のslow waveを認めない様になり、14Hz前後の徐波のみを認める様になったもの。
・ stage 3
2Hz以下で頂点間振幅が75μV以上の徐波が20%以上、50%以下の状態。
・ stage 4
・ 2Hz以下で頂点間振幅が75μV以上の徐波が50%以上の状態。
・ stage REM
stage 1に似た徐波とrapid eye movementが特徴
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