【MIBG心筋シンチグラフィ
【MIBG心筋シンチグラフィ】
[原理]
MIBGは交感神経終末において節前ニューロンに取り込まれ、シナプス間隙に放出されるが,NAとは異なり代謝されない。心臓交感神経に障害がなければ MIBGは心筋内に取り込まれ,ガンマカメラで撮像すると心臓が描出される。
[方法]
MIBG を安静時に注射しガンマカメラで
15~30 分後(早期像)と3~4時間後(後期像)に心臓に集積したMIBGを2回撮像する
心臓(H)と上縦隔(M)に関心領域を設定し心臓の関心領域とバックグラウンドとなる上縦隔の関心領域との平均カウント比率(H/M)を算出する。
心臓の交感神経に障害があると,早期像,後期像ともにH/M は低下する。
正常者は早期像よりも後期像のほうが高値となるが、心臓の交感神経に障害があると交感神経終末におけるMIBGの保持能が低下するために後期像のほうが H/Mは低値となる。
[評価]
パーキンソン病で取り込み低下
パーキンソン症候群では取り込み低下を認めないことから鑑別に有用とされる
その他、虚血性心疾患や心不全などの心疾患や糖尿病性自律神経ニューロパチーなど末梢の自律神経が障害される疾患が適応対象
Ca 拮抗薬や三環系抗うつ薬などがMIBGの取り込みを阻害するので,薬剤の影響を考慮する必要がある.
PDでは感度87.7%と比較的高いが、特異度は37.4%程度
PDでは重症度に伴いMIBG取り込み低下。
MSAでは取り込み低下ないと言われているが約20%で低下。
MSA-P では MSA-C より平均の H/M 比は有意に低い
[原理]
MIBG取り込み低下はLewy body病理を反映する
(Watanabe H, Ieda T, Katayama T, Takeda A,
Aiba I, Doyu M, Hirayama M, Sobue G : Cardiac 123I-meta-
iodobenzylguanidine(MIBG)uptake in dementia with Lewy bodies : comparison with
Alzheimer’s disease. J
Neurol Neurosurg Psychiatry 70 : 781―783,
2001)
MSA の自律神経障害は交感神経節前線維の障害に起因する
(Kashihara K, Ohno M, Kawada S, Okumura Y :
Re- duced cardiac uptake and enhanced washout of 123I- MIBG in pure autonomic
failure occurs conjointly with Parkinson’s disease and dementia with Lewy
bodies. J Nucl Med 47 : 1099―1101, 2006)
MSA 患者の心筋の[18F]-fluorodopamine
の取り込みは自律神経機能障害とは関係なく保たれている報告
(Goldstein DS, Holmes C, Li S, Bruce S,
Metman LV, Cannon RO III : Cardiac Sympathetic Denervation in Parkinson
Disease. Ann Intern Med 133 : 338―347, 2000)
MSA の交感神経節での病理学的変化が指摘
(Sone M, Yoshida M, Hashizume Y, Hishikawa
N, Sobue G : Alpha-Synuclein-immunoreactive structure formation is enhanced in
sympathetic ganglia of pa- tients with multiple system atrophy. Acta Neuropa-
thol 110 : 19―26, 2005
)
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