【無症候性脳血管障害】

【無症候性脳血管障害】
[無症候性脳血管障害の分類]
1. 無症候性脳梗塞
2. 白質病変(PVH)
3. 深部皮質下白質病変(DSWMH)
4. 微小脳出血(CMBs)

[無症候性脳血管障害の定義]
1. 病巣に対応する神経症状を認めない
2. 病巣に対応する自覚症状及び他覚所見を本人・身近な人が気づかない
(澤田徹.脳卒中1997;19:489)

[無症候性脳血管障害の画像]
 

[予後]
無症候性脳血管障害は微小血管障害に起因し、脳梗塞発症リスクの一つである
(Gupta A. Stroke 2016;47:719)

 
無症候性脳梗塞を有する人の脳梗塞発症リスクは認めない人の約4倍
(Vermeer SE .Stroke 2003;34:11126)

大脳白質病変も無症候性脳梗塞ほどではないが脳梗塞のリスクとなる
(Bokura H. Stroke Cerebrovasc Dis 2006;l5:57)

[微小脳出血 MBs]
MBsの病理は微小脳出血によるヘモジデリンの沈着
高血圧性と脳アミロイドアンギオパチー(CAA)によるものに分けられる
(山口修平. 分子脳血管病 2015;14:42)

CAAの診断にはBoston criteriaが用いられる。
(Knudsen KA. Neurology 2001;56:537-539)

CAAは高血圧性脳微小出血と比べ高率に脳卒中関連死に関与する。
(Bokura H .Stroke 2011;42:1867)

CAAでは抗血小板薬の投与は慎重に行い厳格な血圧管理を必要とする。
(山口修平. 血圧 2016; 23(9):651-655)

[Risk control]
通常の脳梗塞と同様に、血圧、糖尿病、脂質異常症がリスクとなる。
他にもCKDやホモシスチン、炎症反応上昇、メタボリック症候群などが報告。

高度な白質脳症ではFabry病、CADASIL、ホモシステイン尿症、ミトコンドリア病などの鑑別が必要。




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