【Dementia with Lewy body(DLB):レヴィー小体型認知症】
【Dementia with Lewy body(DLB):レヴィー小体型認知症】
進行性認知機能障害に加えて、パーキンソン症状や幻視、自律神経症状などを認める。大脳皮質や脳幹・自律神経系などびまん性にLewy bodyが蓄積する疾患。PD(Parkinson’s disease)やPDD(Parkinson’s disease with dementia)とともにLewy Body diseaseと称される。
[病型]
common form : AD病理を合併
pure form : DLBのみの病理
(Kosaka K. J Neurol 1990;37 (3):197-204)
[治療]
ChEI(コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる)
→donepezil(アリセプト)、rivastigmine(イクセロン)、galantamine(レミニール)
Ach起始核(マイネルト基底核・中隔核など)の変性・脱落がADより強い
(Perry EK. Neuroreport 1994; 5(7):747-749)
Ach合成酵素の活性がADよりも低い。
(Tiraboshi P. Neurology 2000;54(2):407-411)
側頭葉皮質のムスカリン受容体の脱落がADよりも少ない
(Ballard C. Ann Neurol 2000;48(6):868-876)
→ADよりもChEIが効果的である可能性が示唆されている。
ChEIはパーキンソニズムを悪化させない。
(Mori E. Ann Neurol )
Memantineの使用で優位に認知機能が改善した。
(Aarsland D. Lancet 2009,8(7):613-618)
[BPSDに対する治療]
BPSDを来す薬剤の中止:抗コリン薬、アマンタジン、ドパミン作動薬
ChEI/memantineの導入
病初期にはアリセプトまたはレミニールが選択される
レミニールはChだけではなくdopaやSerも増やしBPSDに良い
Pismを有する患者に対して最もevidenceのあるのはイクセロンである
高度認知症や興奮の強い患者にはメマリーが有効
DLBでは抗精神病薬に過剰に反応して症状が悪化することが知られている。
D2受容体遮断の強い定型抗精神病薬の使用は避ける。
クエチアピン推奨される。
抑肝散も副作用が少なく効果的と言われている。
糖尿病がある場合にはクエチアピンは禁忌であり、
ペロスピロン(ルーラン):SDA(Ser-dopa R拮抗薬)
アリピプラゾール(エビリファイ):DSS(dopamine system stabilizer)
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