[研修医必須項目] 1-31 四肢の痺れ

<四肢のしびれ>
【定義】
 四肢に生じる不快感・感覚障害。
【分類】
 *神経障害 *血流障害 *筋骨格系
【原因/鑑別診断】
*神経障害:
  脳血管障害、糖尿病、筋委縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋委縮症、多発性硬化症
  ギラン・バレー症候群、絞扼末梢神経障害、帯状疱疹
*血流障害:
  糖尿病、高血圧、閉塞性動脈硬化症、血管炎
*筋骨格系:
  変形性頸椎症、変形性脊椎症、頸椎・腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症
脊椎すべり症、頸椎後縦靭帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症、コンパートメント症候群
*その他:
  過換気症候群、ビタミン欠乏、薬剤性、尿毒症、HIV感染
【診察・検査】
*症状:
 感覚低下・知覚過敏・異常感覚の有無、疼痛の有無、運動障害の有無
*発症時間・経過:
 突発性は急性動脈閉塞症、脳血管障害、脊髄障害を疑う。
 急性~亜急性はコンパートメント症候群、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群
絞扼末梢神経障害、帯状疱疹を疑う。
 慢性は糖尿病性末梢神経障害、傍腫瘍症候群、ビタミン欠乏、脊椎障害を疑う。
*部位:
 筋肉か、骨か、関節か、皮膚か診察。
 皮膚症状があればデルマトームを考え、脊髄障害か神経根障害か末梢神経障害か判断する。

⇒採血(血算・生化(HbA1cCaMg)・甲状腺機能・凝固・ビタミン・ESR・自己抗体
電気泳動)
 神経伝達速度、ABI、髄液検査、便潜血・CF(悪性腫瘍s/oの場合)
【治療】
 上記原疾患が特定できた場合は原疾患治療。
【経験した症例】
 健康診断で空腹時高血糖を指摘された歳男性。受診時HbA1c7.3%であった。

糖尿病の合併症として糖尿病性網膜症、両下肢に軽度の異常感覚、両側とも振動覚の低下とアキレス腱反射の消失を認めた。腎障害は認めなかったが長年の糖尿病歴があると考えられ加療が開始された。


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