[研修医必須項目] 1-15 結膜充血
<結膜充血>
【定義・分類】
眼球結膜・眼瞼結膜部の毛細血管が炎症などにより拡張し、血流の増加により外見的に赤色に変色すること。
【鑑別疾患】
アレルギー性結膜炎、感染性結膜炎(細菌性・ウィルス性・クラミジア)
【検査】
*問診・診察
アレルギー性結膜炎⇒掻痒感、乳頭増殖が認められる。眼脂が膿性だと感染性を疑う。
春季カタルは掻痒感は無いが巨大乳頭が認められる。
細菌性結膜炎⇒黄色膿性眼脂、顎下リンパ節腫脹あり。濾胞なし。
ウィルス性結膜炎⇒繊維素性眼脂、下眼瞼結膜全体の小型濾胞、耳前リンパ節腫脹あり。
→単純ヘルペス結膜炎:通常片眼性で再発する。
アデノウィルス結膜炎:急性・両眼性・流行性がある。アデノチェックなど迅速検査を行う。
クラミジア結膜炎⇒膿性眼脂、大型濾胞あり。
【治療】
*アレルギー性結膜炎:抗アレルギー薬点眼・ステロイド点眼でほぼコントロール良好。
アレルゲン除去。ステロイド点眼使用時には眼圧上昇・白内障・易感染に注意。ステロイド薬の局注・内服も検討する。
*ウィルス性結膜炎 :基本的に経過観察。炎症抑制薬の点眼や、最近の二次感染予防
にクラビット点眼を行う。感染対策を万全に。
*細菌性結膜炎 :眼脂の培養を採取して抗菌薬を点眼・軟膏塗布を行う。
【経験した症例】
統合失調症のため入院していた●歳男性。入院中右目の眼球結膜軽度充血、眼脂、右目下まぶたに皮疹を認めた。眼科を受診し、右外眼角炎と診断され、クラビット点眼、タリビッド眼軟膏を塗布したところ症状の改善を認めた。
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