[研修医必須項目] 1-26 腹痛
<腹痛>
【定義】
腹部に疼痛を感じること
【分類】
*腹部臓器疾患 *神経疾患 *心血管疾患 *呼吸器疾患 *代謝内分泌疾患
*薬物・毒物 *心因性
【原因/鑑別診断】
*腹部臓器疾患:
Common disease→虫垂炎・胆嚢炎・急性膵炎・消化管潰瘍・憩室炎・腸閉塞
炎症性腸疾患・便秘
尿路結石・腎盂腎炎 帯状疱疹・胸膜炎・肺炎などの放散痛
婦人科疾患 →卵巣出血・骨盤内感染症・子宮外妊娠・生理痛
急性期疾患 →AMI・大動脈解離・大動脈破裂
胆管炎・消化管穿孔・絞扼性イレウス・SMA塞栓症・NOMI・HUS/TTP
精巣捻転・子宮外妊妊娠破裂・卵巣軸捻転
DKA・AKA・副腎不全・甲状腺クリーゼ
*神経疾患:
神経炎・痙攣
*心血管疾患:
下壁心筋梗塞・侵害膜炎・心不全・心筋炎・心内膜炎・PTE
*呼吸器疾患:
肺炎・胸膜炎・気胸(放散痛)
*薬物・毒物:
中毒症
*心因性:
双極性障害・摂食障害
*その他:
ケトアシドーシス・尿毒症・ポルフィリア・高カルシウム血症・副腎不全
甲状腺クリーゼ・鎌状赤血球症・溶血性貧血・アレルギー性紫斑病・AML
【診察・検査】
腹部エコー・腹部Xp・血算・電解質・ケトン体等の検体検査・CT・MRI検査
薬物血中濃度の確認
【治療】
原因究明し、原則は原因疾患の治療にあたる。
対症療法としては、内臓痛は抗コリン薬、非麻薬性鎮痛薬などを用いる。体制痛に対してはNSAIDsやアセトアミノフェンなどから開始し、非麻薬鎮痛剤・麻薬性鎮痛剤を用い、抗うつ薬などを併用して疼痛の閾値を上げるなどして対応する。
【経験した症例】
特に既往のない●歳女性。下腹部痛を訴えて救急外来を受診した。診察時、腹部が著明に膨隆しており、5分ごとの下腹部痛を認めていた。問診したところ、これまで婦人科を受診したことはなく、半年以上前より月経を認めていなかった。腹部超音波検査にて胎児心拍を確認し、陣痛が発来していると考えられ婦人科にコンサルトとなった。
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