低血糖脳症

【低血糖脳症】
低血糖症とはBS<60mg/dlで神経症状をきたす状態
(Cyper PE. J Clin Invest 2007;117:868-870)

グルコース投与により症状が改善しない重篤なものを低血糖脳症と呼ぶ。
(谷川敬一郎. 糖尿病 2010;53:48)

低血糖脳症の予後不良因子として
①来院時の血糖低値の程度
②低血糖の持続時間
が挙げられ、体温低下や乳酸値の上昇は保護的に作用している。
錐体路を中心とした白質病変は予後良好と報告されている。
(Lo L. AJNR Am Neuroradiol 2006;1655-1656)

[低血糖脳症の症状]
意識障害から麻痺まで様々である。
脳卒中様の片麻痺も報告されている。
左右非対称性の原因として代謝要素と組織的要素(細胞が密な方が脆弱)がある。
(Lee SH. J Clin Neurol 2010;6:104-108)

[低血糖脳症の頭部MRI所見]
①血管支配と無関係
②様々な病変をきたしうる
③脳幹・小脳は障害されない
(Jung SL. J Neuroimaging 2005;15:193-196)

  低血糖脳症でDWI HIAを呈することが診断に有用と報告されている。
(Botther J. Stroke 2005;36:e20-e22)
→機序としては
・グルコース枯渇に伴う代謝異常
・細胞膜ion pumpの異常による細胞浮腫
が考えられている。
(Hasegawa Y. Stroke 1996;27:1648-1655)


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