[研修医必修項目] 1-7 皮疹

<発疹>
定義
 皮膚に現れる病変を総称して発疹という。
分類
*原発疹:健常皮膚に一次的に出現するもの。
紅斑、紫斑、色素斑、白斑、丘疹、結節、腫瘤、水庖、膿胞、嚢腫、膨疹・蕁麻疹
*続発疹:原発疹または他の続発疹に続いて二次性に生じる皮疹のこと。
萎縮、鱗屑、痂皮、鶏眼、瘢痕、表皮剥離、びらん、潰瘍、亀裂
原因/鑑別診断
湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、天疱瘡、伝染性膿痂疹、膿疱症、薬疹、SLE、皮膚筋炎、乾癬、sweet病、成人still病、肝硬変、C型肝炎、ライム病、皮膚悪性リンパ腫、単純性紫斑、突発性血小板紫斑病、アナフィラクド紫斑、Henoch-Schoenlein紫斑病、肝斑、尋常性白斑、母斑、悪性黒色腫、全身性アミロイドドーシス、帯状疱疹、関節リウマチ、基底細胞癌、有棘細胞癌、Behcet’s病 etc.
実施すべき検査
硝子圧法で紫斑か鑑別
血液検査(炎症反応(ESR含む)、血液像、各種自己抗体、補体価、腫瘍マーカー、免疫グロブリン、T細胞)
パッチテスト、皮膚生検(悪性黒色腫は禁忌)
治療
ステロイド軟膏・ステロイド(内服or頸静脈的)投与・抗ヒスタミン薬投与・保湿剤塗布
褥瘡の場合は幹部の保護・除圧・デブリ・洗浄など
原疾患の治療
症例
 歳女性、皮疹・筋力低下を契機に皮膚筋炎と診断された一例。
顔面・両上肢・前胸部に紅斑が出現したが、ステロイド外用薬により一時的に改善した。しかしその後、筋力低下のため立ち上がりに苦労するようになり、健康診断にてCK3000IU/Lと高値を認めたため精査目的で当院膠原病内科を受診、入院となった。各種検査により皮膚筋炎と診断されプレドニゾロン60mg/日が開始されたが、治療抵抗性でありCK値の改善を認めなかったため、ステロイドセミパルス療法、免疫グロブリン大量静注療法(400mg/kg/day)、さらにタクロリムス1mgの併用を行ったところ、皮疹や筋力低下の改善を認め、プレドニゾロンを漸減した。プレドニゾロン37.5mg/日まで減量したところで、ステロイドによる明らかな副作用も認めず、退院となった。


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