【脳動脈解離ガイドライン】

【脳動脈解離ガイドライン】
日本において脳血管の解離は椎骨動脈に多い。
解離により、脳虚血・くも膜下出血をきたす。
脳動脈解離に脳虚血の発症機序としては塞栓機序または血行力学的機序がある。
 
  • 脳梗塞
急性期治療として抗血栓療法を考慮する。
通例抗血小板療法を行う。(バイアスピリン200mg/day 1week100mg/day)
通常の脳梗塞と同様にエダラボン・グリセオールを投与する。
抗凝固薬の有効性を示す明らかなRCTはない。
抗凝固薬と抗血小板薬を比較したRCTはない。
超急性期治療として血栓溶解療法を考慮しても良いが、動脈瘤がある場合や大動脈解離がある場合には禁忌である。
解離による閉塞血管は8日以内に30%、3ヶ月以内に60-80%が再開通する。
3-6か月を過ぎると再発のリスクは大きく低下する。
そのため発症から3-6か月は抗血栓療法を継続することが推奨されている。
可能であれば3か月毎に画像検査を行い、抗血栓薬の必要性を検討する。
6か月後以降は解離部に狭窄所見が残存していれば抗血栓を継続する。
 
  • くも膜下出血
くも膜下出血で発症した脳動脈解離における最大の予後不良因子は再出血。
再出血の頻度は14-69%で発症後24時間以内に再発する。
入院時の重症グレード、再出血、pearl-string signが予後不良因子である。
外科的治療としては開頭手術と血管内手術がある。
開頭手術ではクリッピング
血管内手術ではinternal trapingが有効
→脳幹への穿通枝梗塞の合併症に注意
非出血症例では比較的予後良好とされ、保存的治療が選択される。

 

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