[B6] バクロフェン髄注療法

【バクロフェン髄注療法】
[痙縮とは]
上位運動ニューロン障害により脊髄前角細胞への抑制が不十分となり脊髄反射が亢進する。
生理学的には:関節を他動的に早く動かすと筋緊張が亢進し、ゆっくり動かすと抵抗が弱くなる、速度依存性の筋緊張亢進。
→臨床的には、速度依存性筋緊張亢進・筋攣縮・クローヌス含めた異常筋緊張

[バクロフェン]
GABA-B受容体に作用し、脊髄後角における脊髄反射経路に介在する抑制ニューロンに働き、抗痙縮作用をもたらす。
商品名:ギャバロン注 ギャバロン錠 リオレサール錠

[適応]
脊髄疾患:脊髄損傷・脊髄梗塞・脊髄小脳変性症・多発性硬化症・脊髄腫瘍
脳疾患:外傷性脳損傷・脳性麻痺・低酸素脳症・脳血管障害

[スクリーニングテスト]
腰椎穿刺によりギャバロン注0.005%(1ml/50μg)1Aを髄注する。
通常2-4時間で効果が最大限となり、24時間で効果が消失する。
評価はmodified Ashworth Scale(MAS)で、投与前・投与4時間後で比較する。
MAS

[
副作用]
頭痛、無力症、血圧低下、感覚衰退
長期的な合併症としては離脱症状と過量投与

[持続髄注療法:IBT]
手術時間は全身麻酔下で1.5-2時間。
18mlの薬液が入り、数か月に1回経皮的に薬液を注入。

電池は7-10年持ち、ポンプごと交換する。


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