[A3] 低カルシウム血症
【低カルシウム血症】
cCa < 8.6mg/dl
*cCa=Ca+(4-Alb)
[原因]
副甲状腺機能低下症、VitD不足、腎不全
[症状]
しばしば無症候性
テタニー,喉頭痙攣,全身性痙攣
骨軟化症では骨痛などの症状も出現する。
* テタニー
口唇,舌,手指,足の感覚異常
遷延し有痛性の場合もある
手足の痙攣,全身性の筋肉痛,顔面筋の痙攣を特徴とする。
[身体所見]
(1)Chvostek's
sign
外耳道の前を叩くと顔面筋が不随意に収縮する。
正常人でも10%が陽性となる。
慢性低Ca血症では見られない。
(2)Trousseau's
sign
前腕をマンシェットで駆血すると手指にテタニーが出現。
[鑑別]
1.
Low Ca, Low Pi (P<3.5mg/dl)
尿中 Ca>200mg/day →腎性高Ca尿症
尿中Ca < 200mg/day→くる病、骨軟化症、薬剤性、Ca沈着
(1)骨軟化症
骨の石灰化障害に起因する。
骨端線閉鎖以前をくる病、閉鎖後を骨軟化症と言う。
ビタミンD不足とP不足の2種類に大別される。
血液検査で骨型ALPが高値となる。
ビタミンD不足では血中VitD (25OH-D)低値となる。
*1.25(OH)2Dはsubtype判別に用いるが、VitDの指標とはならない。
XPで脊椎の魚椎変形が認められる。
(2)薬剤性
ビスホスフォネート製剤など
(3)Ca沈着
骨形成性骨転移、急性膵炎など
2.
Low Ca, High Pi
(1) 慢性腎不全:eGFR<30
(2) 副甲状腺機能低下症or偽性甲状腺機能低下症
intactPTH<30→副甲状腺機能低下症
intactPTH>30→偽性副甲状腺機能低下症
[治療] 軽症(無症状or Ca>7.5) 経口Ca 1500mg/day
重症(有症状 or Ca<7.5) カルチコール10mg 10分かけてiv→持続iv