[A6] 医学論文・統計の勉強の仕方


医学論文と統計について

今の時代、医学は日進月歩です。

常に最新の知識を得るために、研修医は論文を読まなくてはなりません。



本当にそうでしょうか。

確かに、今の時代最新の知識を得るためには英語論文を読むことは必要です。

しかし、研修医に必要な知識は教科書にあると私は考えます。

今は、教科書といえば朝倉やハリソンくらいしかなかった昔とは違い

たくさんの教科書が発売されています。

それらの教科書を書いた先生方は、その道の一人者ですし

大抵の教科書は何本もの論文を基にして書かれています。

つまり、教科書は“専門家”が“たくさんの論文”を基に、

“自身の臨床経験”を添えて、“日本語”で書いたものなのです。

これらはほとんどの研修医が持っていないものですし

論文を原著で必死に読んでいる間に得られる知識は

教科書の方が何倍も多いと思います。

さらに、基礎知識がないにもかかわらず

論文で得た最新知識をふりかざすのは端から見ると滑稽でしかありません。

例えば

SGLT2阻害薬のエンパグリフロジンが心血管イベント抑制に効果的である

ということが発表されました。

しかし、それをSGLT2阻害薬の使い方や糖尿病の標準的治療も

しっかりと理解していない研修医が言ったところで、

だからどうした?という話になります。


もちろん、最新の医学知識をチェックすることはとても重要ですし

論文の読み方は研修医の間に身につけておくべきだと私は考えます。

抄読会もしっかりやるべきだと思います。

ここでは、論文の読む上で必要な知識について紹介していこうと思います。
医学統計に関する本ではこれが一番オススメです。 

本当に基礎の基礎となる内容ですが、

論文を理解するだけならば十分な内容になっています。


 3部作とボリュームが多いように感じますが、 

だいたい1冊2時間くらいで読めますし

 書き方もうまいのですっと理解できます。


1巻では
P値や95%信頼区間、標準偏差など
基本的な用語の解説

2巻では
・論文に出てくる図形の解釈
・論文に出てくる数値の解釈
が中心に解説されています。


3巻は
その研究が正しいのかどうか
について解説がなされています。

まず最初は1・2巻だけでも良いので

読んでみることをオススメします。

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