[A4-2] 画像診断 頭部 脳梗塞
・
脳梗塞
[早期虚血性変化]
→脳梗塞発症1時間で出現。心原性・アテローム性で生じる。主にMCA領域。
1)皮髄境界の消失・レンズ核の不明瞭化
2)脳溝の消失・狭小化
*島皮質
MCA支配
ACA・PCAの側副血行路から最も遠い。
MCA M1領域の梗塞で生じやすい。
島皮質のearly CT signをloss of the insular ribbon sign という。
* MCA M1
塞栓症でhyper dense middle cerebral artery sign (HDMCA sign)
30%に出現
急性期(~1w)に現れる。
t-PAの適応
→梗塞巣MCA領域の1/3以下
(1/3 MCA rule)
現在はASPECTSを用いる。
ASPECTS:
を判定する。10点満点でECSがあると減点。
7点以下の症例が中大脳動脈領域1/3を超えている可能性がある。
[DWI]
拡散強調画像
→発症30分程度で虚血領域がhigh intensity areaとして描出される。
DWI highの領域はほぼ確実に脳梗塞に陥り、実質的に組織の不可逆性を表す。
* 脳幹部ラクナ梗塞などでは発症6時間でも高信号示さないこともある。
・
脳梗塞の分類
機序による分類
1)
血栓性:血管内に血栓を生じ、閉塞する。
2)
塞栓性:血栓が飛来して抹消の血管を閉塞する
3)
血行力学性:狭窄による血流低下から血行動態が破綻する。
臨床分類
1)
アテローム性
血栓性
塞栓性:A to A embolism
血行力学性
すべての機序で生じうる。
分水嶺梗塞(watershed infarction)が特徴とされる。
→ACA/MCA, MCA/PCAと血管支配領域の中間が最も虚血の影響を受けやすい。
* branch atheromatous disease (BAD)
穿通枝を分岐する親動脈にアテローム性の狭窄・閉塞を来し生じる梗塞。
ラクナ梗塞との鑑別が重要で、通常ラクナ梗塞より少し大きい。
BADはアテローム性脳梗塞に準じて治療する必要があるため鑑別が必要。
・FLAIRの動脈内高信号
・DWIで穿通枝領域以外の梗塞巣
・MR-angiographyで主幹動脈に壁不整・狭窄所見
はいずれもアテローム性を示唆する所見である。
2)
心原性
主にaf, MIから左房内血栓を生じ、塞栓機序による梗塞をきたす。
病変は
・閉塞動脈の灌流域とほぼ一致
・境界明瞭
・皮質を含む
・範囲が大きい
3)
ラクナ
穿通枝領域に生じる15mm以下の梗塞。
BADとの鑑別が重要。
穿通枝:基底核・視床・内包・放線冠・脳幹部を栄養する細い血管
4)
その他
# Differential diagnosis
1. PRES
可逆性白質脳症:posterior reversible encephalopathy syndrome (PRES)
高血圧や薬剤性に血管性浮腫を生じる。
痙攣・視力障害などで発症する。
典型的には後頭優位・対称性にFLAIRで高信号を示す。
病態の首座は血管性浮腫であるため拡散は上昇(DWIでlow)する。
2.痙攣後脳症
post ictal state
皮質・皮質下白質の広範な腫脹
鑑別のポイントとしては血管支配域に一致しない所見。
拡散は軽度抑制されており、DWIで高信号を示す。
3.脳腫瘍
画像所見と臨床所見の乖離が見られる。造影が有効。
4.脳静脈血栓症
MR-venographyが有用。
急性期CT・DWI判読トレーニング
http://asist.umin.jp/training/index.html
コメント
コメントを投稿