[A7] 画像診断 脳出血の画像診断

[脳出血]
血液が血管外へ漏出し、凝血することでHt値が上昇する。
CTで高吸収となる。
  高度な貧血ではHtが低値であり、CTで高吸収となりにくい。

1)      被殻出血:外則線条体動脈の破綻。運動麻痺高度。
2)      視床出血:側脳室・第3脳室に穿破
3)      皮質下出血:髄質動脈の破綻
4)      橋出血:脳底動脈橋枝の破綻
5)      小脳出血:小脳歯状核への穿通枝の破綻が多い

  CTでの経時的変化
急性期:3-7日 CTで高吸収。浮腫によるmass effectを生じやすい。
                *発症後7時間までは血腫増大を示すことがあり、CTでの再評価必要
                *原因不明・非典型的な出血では出血元精査のためMRA
                *腫瘍内出血では造影MRIが有用
吸収期:1-2か月まで 血腫辺縁部のRBCが崩壊し、辺縁からCT吸収値低下
瘢痕期:数ヶ月以降 血腫は縮小し、髄液と等吸収の嚢胞状瘢痕となる。

  MRIでの経時的変化
超急性期(24時間以内):T1/T2 ほぼ等信号。周囲の浮腫はT2 高信号
急性期(-3日):還元HbとなりT1 ほぼ等信号、T2 著名な低信号。
亜急性期早期(-1週間):辺縁からメトHbへ変化。T1 highT2 low
亜急性期後期(-1か月):フリーメトHbに。T1 highT2 high
慢性期(-数ヶ月):辺縁にヘモジデリン沈着。内部はT1/T2 high, 辺縁T2 low
瘢痕期:内部髄液様液体へ置換。T1 low, T2 high, 辺縁T2 low

  O2-Hb: MRIへの影響はなく、T1/T2ともにほぼ等吸収
  還元Hb: 常磁性体である。 T1 ほぼ等信号、T2 著名な低信号
  メトHb       溶血前→T1で著名な高信号、T2で著名な低信号
溶血後→フリーメトHbとなりT2で著名な高信号
  ヘモジデリン:T2で著名な低信号、T2*での検出が最も鋭敏

急性期にはCT

慢性期にはMRIが有用 陳旧性の度合いも判断可能


ヘモジデリン沈着はT2*が最も鋭敏

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